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【2024年度版】廃プラスチック回収・リサイクルの現状
廃プラスチックの基礎知識:廃棄時の分類と注意すべき点など
■廃棄物処理法の「廃プラスチック類」は他の素材を含む
一般に「廃プラスチック(廃プラ)」といえば、廃棄されたプラスチック製品を指します。廃棄物処理法においても「廃プラスチック類」に分類されますが、これはプラスチックのほか、ゴムや合成繊維などの石油化学製品全般を含む区分であることに注意が必要です。ここでは廃プラスチックについて見ていきましょう。
■一般廃棄物か産業廃棄物かは排出の状況で判断。自治体のルールにも要注意
廃プラスチックは一般廃棄物、産業廃棄物のいずれにも分類されることがあります。その判断基準は「事業活動に伴って生じているか」。ただし、事業所から排出されるペットボトルなどについては自治体によっても判断が異なるため、新たな土地に事業所を移転・開設するさいには適宜確認が必要となります。
廃プラスチックの区分(例)
区分 | 概要 | 具体例 |
産業廃棄物 | 事業活動に伴って廃棄されるプラスチック | プラスチックコンテナ、プラスチックを含むスクラップや包装資材 など |
一般廃棄物 | 事業活動以外から廃棄されるプラスチック。家庭から出るごみなど | ビニール袋、発泡スチロール、ペットボトル など |
■産業用プラスチックは種類も多彩。リサイクル時には選別が重要に
産業用プラスチックとひと口にいっても、実態は用途に応じてポリエチレン(PE )、ポリプロピレン(PP )などさまざまな種類があります。しかし廃棄する際には種類の区別なくまとめて扱い、破砕、焼却、埋立などの処理を行います。
とはいえ本来はそれぞれに性質が異なる素材ですから、リサイクルの際には用途に応じて選別しなくてはなりません。そのため、ペットボトルなど単一のプラスチック素材でできた製品は排出時に個別回収したり、複数のプラスチック素材からなる製品については、破砕後に素材を選り分けたり(選別)といった工程が必要になります。
主なプラスチック素材の種類
・ポリエチレン(PE )
・ポリプロピレン(PP )
・塩化ビニル樹脂(PVC )
・ポリスチレン(PS )
・ポリエチレンテレフタート(PET )
・ABS 樹脂
・ウレタン樹脂(PU )
・フェノール樹脂(PF )など
廃プラスチックリサイクルの現状:増える排出量とリサイクルの課題
■増大する廃プラスチック廃棄量。2060年には1,000メガトン以上との予測も
軽く丈夫で成形性も高いプラスチック素材は生活や産業のさまざまなシーンで利用されています。経済協力開発機構(OECD )では、世界のプラスチック廃棄量は2019 年時点で353,000 キロトンとしており、大胆な新政策が取られない場合、2060 年には1,014,000 キロトンにまで増加すると試算しています※ 。
このように使用量・廃棄量が膨大であるという問題に加え、違法投棄や自然災害によってプラスチックが水系に流出し、環境や生きものの健康に害をなす「海洋プラスチック問題」も注目されるなか、プラスチックの使用量、廃棄量を減らすことは世界的な課題となっています。
※OECD発表より弊社換算
https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/global-plastic-waste-set-to-almost-triple-by-2060-japanese-version.htm
■3つのリサイクル手法で廃プラスチックを素材・燃料化
廃プラスチックのリサイクルでは、主にマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3 つのアプローチが取られています。
マテリアルリサイクル
廃プラスチックを種類ごとに選別し、不純物を除去して粉砕・洗浄。そのままの状態(フレーク)、あるいはそれをさらに粒状に成型した状態(ペレット)で、再度製品に使用する手法です。
●マテリアルリサイクルのイメージ
●マテリアルリサイクルの主なメリット・デメリット・リサイクル先
種類 | 概要 |
主なメリット | ●素材をプラスチックとして再び利用できる |
主なデメリット | 繰り返しリサイクルする(加熱する)ことで素材が劣化する など |
主なリサイクル先 (最終用途) | プラスチック製品 |
ケミカルリサイクル
廃プラスチックを化学処理で分解、再利用する方法。プラスチックそのままではなく、化学原料の状態に戻し、原料や燃料として利用します。
●ケミカルリサイクルのイメージ
Flow
就業までの流れ