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就職攻略/体験談
産業廃棄物の処理でマニフェストが不要になる10のケースとは?注意点も解説!
産業廃棄物管理票(マニフェスト)が不要な10のケースとは?
マニフェストが不要になるケースは稀ですが、条件を満たすことで不要になることがあります。
ここからは、マニフェストが不要になる10のケースについて紹介していきます。
国に委託して処理する場合
産業廃棄物の収集や運搬・処理を国に依頼する場合はマニフェストは不要になります。
都道府県・市区町村に委託して処理する場合
産業廃棄物は、都道府県と各自治体が処理をしても問題ありません。
そのため、「都道府県と各自治体が処理することが必要」と認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができます。
都道府県と各自治体によっては、産業廃棄物の収集運搬・処分に対応しているケースもあるので、都道府県などに依頼して処理する場合にマニフェストは不要になります。
都道府県知事の指示を受けた業者に委託して処理する場合
都道府県知事の指示によって産業廃棄物の処理を行う業者に委託する場合、マニフェストは不要になります。
専ら業者に委託して処理する場合
専ら物(もっぱらぶつ)とは古紙や空きカン、古繊維(古着・ウエス)、くず鉄(スクラップ)などのことです。
専ら物(もっぱらぶつ)の処分業は許可が不要のため、マニフェストを交付する必要がありません。
再生利用認定制度の認定を受けた業者に委託して処理する場合
再生利用認定制度の認定を受けた業者に産業廃棄物の処理を委託する場合、マニフェストの交付は義務づけられていません。
再生利用認定制度とは平成9年の法改正によって創設された制度で、廃棄物の減量化推進のために、生活環境の保全上支障がないなどの一定条件を満たす再生利用に限って環境大臣が認定する制度です。
認定を受けたものについては、処理業や施設設置に許可が不要になるなどの規制緩和措置を講じています。
しかし全ての産業廃棄物でマニフェスト不要になるのではなく、以下の廃棄物が対象になります。
- 自転車用廃ゴム製品
- 廃プラスチック類
- 化製場から排出される廃肉骨粉
- 簡単に腐敗しないように適切な除湿措置を講じた廃木材
- 金属
- 無機性の建設汚泥
- 半導体製造や太陽電池製造・シリコンウエハ製造の過程で生じるシリコン含有汚泥で、排水のろ過膜を用いた処理に伴って生じた物
また、以下の産業廃棄物は対象外なので事前に確認しておきましょう。
- ばいじんまたは焼却灰で、廃棄物の焼却に伴って生じた物や、生活環境保全上支障が生じるおそれがあるもの(資源として利用できることが可能な金属を含むものを除く)
- 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第2条第1項代1号イにかかげるもの(資源として利用できる金属を含むものを除く)
- 通常の保管状態の下で容易に腐敗し、または揮発する等その性状が変化することによって、その生活環境の保全上支障が生じるおそれがあるもの
対象になる産業廃棄物の種類でも、特定の再利用を目的としなければ利用できないケースがあるので、環境省の「再生利用認定制度の手引き」を確認しておくと安心です。
参照:再生利用認定制度 申請の手引き – 環境省
広域的処理認定制度の認定を受けた業者に委託して処理する場合
広域処理認定制度の認定を受けた業者に産業廃棄物の処理を依頼する場合は、マニフェストは不要になります。
広域処理認定制度とは平成15年の法改正によって創設された制度で、メーカーなどが環境大臣の認定を受けて、自社製品が廃棄物になった場合に広い範囲で回収し、リサイクルや適正処理を行う制度のことです。
広域処理認定制度は、主に製造するメーカーや加工・販売を行う事業者が対象ですが、自社製品の配送会社と共に認定を受けることで、収集運搬・処分ともに処理業許可が不要になります。そのためマニフェストを交付する必要がありません。
しかし、以下の産業廃棄物は対象外です。
- 動物性残さや動物系固形不要物など、通常の運搬状況下で容易に腐敗し、または揮発するなど、性状が変化することで生活環境の保全上支障が生ずるおそれがある
- 発泡スチロールやPPバンドなど、外見で他社製品と区別がつかない産業廃棄物
広域的処理認定制度ではパソコンや消化器などが対象で、利用することでメーカーに直接処理を任せられるので、不法投棄などのリスクを減らすことができます。
運搬用パイプラインなどの処理施設を用いる業者に委託する場合
処理施設と直結している運搬用パイプラインを含む処理施設を利用する場合、マニフェストが不要になります。
産業廃棄物を輸出する運搬業者に委託して処理する場合
産業廃棄物を相手国まで運搬する業者に依頼して処理する場合、輸出後の産業廃棄物の追跡は法律で義務づけられていないためマニフェストは不要になります。
廃油の処理を行う湾岸管理者・漁港管理者に委託して処理する場合
廃油の処理を行う湾岸管理者や、漁港管理者に産業廃棄物の処理を委託する場合は、マニフェストは不要になります。
湾岸管理者や漁港管理者は、廃油の処理にあたって国土交通大臣から運搬・処分事業の許可を取得しています。
廃油の処理を行う海洋汚染防止法の規定許可を受けている業者に委託する場合
廃油の処理を行う海洋汚染防止法の規定を受けた業者に産業廃棄物の処理を委託する場合は、マニフェストは不要です。
海洋汚染防止法の規定を受けた業者は、国土交通省から規定許可を受けているので、廃油の運搬や処分などの処理を委託する際にマニフェストは必要ありません。
また、外国船舶で出た廃油の処理を委託する場合でも、マニフェストは不要になります。
マニフェストが不要な場合でも2つの注意点には気をつけよう
産業廃棄物の処理で、マニフェストが不要なケースでも特に注意すべきことが2つあります。
ここからはマニフェストが不要なケースの注意点を解説していきますので、事前によく確認しておきましょう。
「産業廃棄物委託契約書」は必須
ここまで紹介した10個のケースでは、産業廃棄物の処理にあたってマニフェストが不要になりますが、
『産業廃棄物委託契約書』は必要です。
『マニフェスト』と『産業廃棄物委託契約書』は別で用意する必要がある書類で、産業廃棄物の種類や量、処理方法などをあらかじめ明らかにして委託業者と締結します。
もし産業廃棄物委託契約書を締結せずに処理を委託した場合、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金、またはこれらを併科する罰則規定が定められています。(法第26条第1号)
産業廃棄物委託契約書の締結は排出者事業者に義務が課せられているので、マニフェストが不要でも必ず委託業者と締結するようにしましょう。
『到着時有価物』はマニフェストの交付が必須
「専ら物を業者に委託して処理する場合はマニフェストが不要」と解説しましたが、到着時有価物の場合は収集運搬時は産業廃棄物として扱われ、到着時に有価物として扱うのでマニフェストが必要です。
有価物を輸送する際に、売却代金を輸送費用が上回ることがあります。この場合は排出事業者の事業場から処分業者までの輸送は”産業廃棄物”として扱い、処分業者に引き渡した時点で有価物として扱うものを総称して『到着時有価物』と呼びます。
このようなケースを『逆有償』と呼ぶこともあり、有価物であっても廃棄物処理法が適応されます。この際、輸送時は産業廃棄物として取り扱いしている為、原則マニフェストの交付が必要となります。
「有価販売して儲けを得るよりも、支払うコストのほうが上回る取引形態」のときに、到着時有価物として扱い、総合判断説をもって、必要に応じて廃棄物処理法を適応させることが可能です。
総合判断説とは明確な基準がありませんが、一般的には以下の5つで測ります。
- 性状
- 排出の状況
- 通常の取扱い形態
- 取引価値の有無
- 占有者の意思
到着時有価物についての詳しい内容やマニフェストの書き方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
参照:到着時有価物とは?注意点や産業廃棄物マニフェストの作成方法を解説!
電子マニフェストで廃棄物管理業務が効率化できる
マニフェストが不要なケースでも、産業廃棄物委託契約書の締結と管理が必要になります。
また到着時有価物のように、収集運搬時のみマニフェストが必要になるケースもあるので、マニフェストや契約書を管理しやすい環境を整えておくことが大切です。
ここからは、近年普及している電子マニフェストを利用するメリットについて解説していきます。
電子マニフェストのメリット
- 保管場所が不要になる
- マニフェスト紛失のリスクがなくなる
- 必要事項の記入漏れ防止
- 終了報告の有無を電子メールや一覧表示で確実に確認できる
- 情報処理センターでマニフェストを管理できる
- 産業廃棄物管理票交付等状況報告が不要になる
- 廃棄物総合管理システムでより効率的に管理・運用が可能
電子マニフェストを利用する大きなメリットは、事務処理を効率化できることです。
簡単な操作で入力作業を進めることができ、画面上で産業廃棄物の処理状況を確認することが可能。さらに紙の書類としてマニフェストを保管する必要がないので、保管場所が不要になり、紛失リスクもなくなります。
また、廃棄物総合管理システムを利用することで、各種許可証の有効期限アラートや、処理コストの比較、有価物への転換時の市況調査なども可能になります。
廃棄物総合管理システム『Wing』の場合
弊社の廃棄物総合システム『Wing』は、廃棄物管理業務のお困り事をサポートする総合パッケージです。
例えば…
- 許可証の期限管理がめんどう
- 多数拠点の委託業者の把握が大変
- 新たな委託業者をどうやって選定すればいいのか基準がわからない
- 拠点別の廃棄状況やコストが比較できない
- 有価物に転換したいけど市況がわからない
- 多様なローカルルールに対応するのがめんどう
- 行政書類の作成が大変
廃棄物総合管理システム『Wing』は、このような煩わしい廃棄物管理業務を効率化でき、必要に応じてアウトソーシングや弊社スタッフのサポートを受けることが可能です。
“Wing”は、業種や業界を問わずにこれまで約1,500社の企業様でご利用いただいております。
全国規模で廃棄物の一元管理に対応可能な他に、特別な機器やシステムの導入不要ではじめられるとご好評いただいております。
“Wing”のご質問・お問い合わせは、お電話・メール・お問い合わせフォームにてお気軽にお問い合わせください。
まとめ
産業廃棄物を処理する際は原則マニフェストの発行が義務づけられていますが、今回紹介した10のケースではマニフェストの交付が不要です。
しかしマニフェストが不要な場合でも、産業廃棄物委託契約書の締結や、到着時有価物の際にはマニフェストが必要になります。
契約書やマニフェストの管理・運用は、電子マニフェストや管理システムの導入により効率的に対応できるためおすすめです。
廃棄物総合管理システム『Wing』は、廃棄物管理業務をより効率化できる総合パッケージとなっておりますのでぜひご活用ください。
Flow
就業までの流れ